各種細胞を用いたアポトーシス誘導評価試験

試験概要

アポトーシスとはプログラムされた細胞死と呼ばれており、生体の恒常性の維持を目的としてさまざまな細胞において起こっている現象です。がん領域では、アポトーシス誘導が治療薬の有効性評価の指標の一つとしてよく用いられており、がん細胞に対してアポトーシスを誘導する作用を持つ化合物は、有望な抗がん剤となる可能性を秘めています。

本試験では、アポトーシスを誘導する機能性物質の検証・新規検索を目的として、各種細胞を用いた被験物質のアポトーシス誘導作用を検証します。

試験例

癌細胞のアポトーシス誘導の顕微鏡写真

蛍光顕微鏡を用いた撮影により、被験物質がアポトーシスを誘導していることを視覚的に評価することができます。
・初期アポトーシス検出:Annexin Ⅴ (緑色)
・後期アポトーシス (死細胞) 検出:PI (赤色)
・核 (総細胞数) 検出:Hoechst (青色)

Annexin Ⅴ 陽性細胞の割合(初期のアポトーシスを起こした細胞の割合)のグラフ

被験物質AとCにおいて、初期のアポトーシスの誘導がみられました。

PI陽性細胞の割合(死細胞の割合)のグラフ

被験物質AとCにより、死細胞も確認されました。

細胞数のグラフ

被験物質AとCで、総細胞数が減っています。

基本試験

使用細胞各種細胞
測定項目Annexin Ⅴ、 Propidium Iodide (PI)、Hoechst33342 など
本試験蛍光顕微鏡による撮影
フローサイトメーター、プレートリーダー、画像解析による測定


※博士号保持者が中心となって試験を担当します。